PCエンジンDUOのメンテナンスを行う前に、念のため動作確認を行うのですが、十中八九、音声出力に何らかの問題を抱えています。
- 音声が殆ど出力されない
- 片方のチャンネルしか音声が出力されない
- 音声にノイズが混じる
- ヘッドホン端子のみ音声が出力されない
- ヘッドホン端子の音量が調節できない(常にMAX音量)
早い話、電解コンデンサの故障が根本原因で、それに道連れになった基板配線や部品の故障が原因です。
当時のチップ型電解コンデンサの寿命は5年程度で、10年を過ぎると急に故障が増えると言われています。
電解コンデンサの中には電解液が充填されており、外部からの熱や自身の発熱によって徐々に蒸発(漏れ出す)したり、電極を腐食して劣化していきます。
すると、容量抜けという現象が発生し、規定の電荷容量を満たさなくなると故障したということになります。
それでもしつこく使い続けていると、写真のようにコンデンサがパンクしてしまうことがあります。「パチッ!」という大きな音がするので、かなり焦ります。
パンクまでせずとも、交換しようとしてハンダごてを当てた瞬間、「ポムッ」という破裂音がして煙を噴き出すものもあります。
そのため、既に発売から30年が経過した現在、DUOのメンテナンスでは、チップ型電解コンデンサの全交換が大前提となります。
また、電解コンデンサが故障してタチが悪いのは、それ自体が機能しなくなるだけでなく、液漏れした電解液が周囲の基板配線を腐食したり、他の部品に染み込んで故障させてしまうことです。
そのため、電解コンデンサを交換しただけで音声出力の不具合が解消されることは殆どありません。
では、次の記事で早速修理事例を挙げてみたいと思います。
コンデンサの交換方法の記事もアップしました。