前回は「ちびおと」を装着する記事を上げましたが、PC-9801-86音源ボードに遊び甲斐を感じた愛着が湧いてきたので、巷で問題になっている電解コンデンサの劣化問題に対処すべく、メンテナンスを実施してみました。
86音源ボードに実装されている電解コンデンサをイチから列挙して買い集めるのも良いのですが、フリマアプリに交換用部品セットとして出品されていたため、有り難く利用させてもらうことにしました。
このような部品セットは昔から結構出品されていて、X68000の電源モジュールの交換用コンデンサもそうですし、父が使っている無線機(STANDARD C-550)のメンテナンスキットまであったのでびっくりしました。
これは、チップ電解コンデンサを単品で買うよりも安上がりなのと、そもそもまとめ売りが前提で単品では売ってくれない(1個十数円くらいの部品ですし)店もあるので、修理キットは非常に重宝します。
作業実施
そして、届いた次の日に早速作業を行いました。作業時間は動作確認を含めて夕食を挟んで3時間くらいの、割と軽い作業です。難易度も高くはなく、結構遊べる感じです。
まず、86音源ボード上の電解コンデンサを取り外します。ヒートガンを使って、ビャーっと取り外し、はんだ吸い取り線を使って丁寧に古いはんだを除去します。ここまで30分くらい。幸いにも液漏れはしていなかったため、サクサクと作業できました。
次に、パッドの上にはんだペーストを乗せていきます。勘というか適当というか、適量で。
そして、説明書に書かれた一覧を見ながらコンデンサを基板に載せていきます。86音源ボードの場合、33μFのコンデンサが16V品と25V品の2種類があるので、間違えないように載せます。径も同じなので注意が必要です。
そして、ヒートガンを使ってビャーッと半田付けします。一番小さい4.7μFのコンデンサのデータシートを探してきて半田付け温度を確認しましたが、プリヒート200℃、半田付け温度230℃で5秒以内でした。はんだペーストは189℃品を使っているので、実際のところ3秒くらいで半田付けが完了します。全体で10分もかからず作業完了。隣接しているコンデンサが多いおかげで、作業がかなり捗りました。
動作確認実施
目視で確認したところ、大丈夫そうです。
そしてドキドキの動作確認。
まずはFMPでFM音源+PSG+ADPCMの出音を確認。次にWindowsを立ち上げてPCMの出音を確認。それぞれ問題ありませんでした。マイク入力など、残りの機能はそのうちに確認することにします。
ということで、無事にコンデンサ交換の作業を終えたのでした。
「ちびおと」搭載かつコンデンサ交換済みの86音源ボード爆誕。メンテナンス品だけでもヤフオクで30,000円以上で落札されています。うう、では早速売却…いやまて。