よこむむの電子工作記

電子工作や修理日誌です

重い腰を上げてPC-9821の電源を入れてみた

ちびおとについて

秋葉原BEEP通販ショップで「ちびおとR」という、PC-9801-86音源ボード(通称86音源)のADPCM機能を有効にしてPC-8801サウンドボードII相当の機能にするキットが売っていたので、買ってみました。

PC-9821の復活

まずはPC-98環境の復活から取り掛かります。

PC-9821は、倉庫に行く度にいつか電源を入れてみようと思いながらもずっと横目に見て放置されていたものがありますし、ジャンク箱の中に86音源ボードが紛れているのも記憶していました。

ところが問題がみっつ。

  1. PC-98の電源を入れてみたらメモリスイッチがどうのこうのというエラーメッセージが出て起動しない
  2. ハードディスクが動作する気配がしない
  3. 86音源ボードのメインであるOPNAチップが取り外されている(確かレトロPC/ゲーム機の音源チップだけを取り外してコレクションにしたようなw)

もう絶望的な状況で、諦めようかと思いましたが、取り敢えず長い目で試すだけ試してみることにしました。

まずはPC-9821の起動時エラー

多分バックアップバッテリーの消耗が原因だろうと思い、暫く電源を入れたままにして充電することを試みました。

…が、2~3時間ほど放置しておいても充電される気配はありません。きっとバッテリーの寿命(スーパーキャパシタの寿命はおよそ5年)なのだと思い、電池を交換することにしました。PC-9821Xb10/J8はVL2330という充電池を使っているので、同じものを探してみたのですが、廃番になってから30年落ちの電池なんて怖くて手を出せないので諦めて、リチウム電池化することにしました。電池は定番のCR2032です。タブは付いていないので、自分で取り付けます。

タブを取り付けるには、スポット溶接機を使います。レトロPCやゲーム機を修理する場合、1台あると色々と便利で良いので用意しておきたい品物です。

https://amzn.to/47UhsNY

なお、CR2032は充電はできないのでダイオードを入れて充電しないようにします。+側をダイオードのアノードに繋ぎ、メインボード側をカソードに繋ぎます。これでまた少なくとも5年間は大丈夫でしょう。電池のケーブルはオリジナルのものを流用し、電池だけ交換しました(写真)。

電源を入れると、1回目だけはメモリスイッチのエラーが表示されますが、設定後一旦電源を切り、暫くして電源を入れてみると、きちんと設定が保持されているのを確認しました。

ハードディスクが故障している件

これはさすがに修理できないので、ヤフオクでCF-IDE変換アダプタと4GのCFを落札してきました。肝心のデータは、最終バックアップ(2001年頃)のMOが出てきたので、復元してみました(MOドライブはX68000用のものと共通で使えました)。当時を懐かしんで色々と遊んでしまいました。

そして最後の砦、86音源ボード

OPNAチップとDACは記憶通り、当時のコレクション箱の中から出土されました。元通り取り付けてみたら、きちんと動作しました。今やヤフオクで2万円台で取引されているボードをこんなに粗末に扱っていたなんて…さあ、さっそく売却、いやまて。

ついにちびおとRを実装

そして、足早ですが「ちびおとR」を取り付けてみました。OPNAチップの上に被せてはんだ付けをするタイプです。

FM音源ドライバ(FMP)を常駐させると、ちびおとを認識してくれました。

これでサウンドボードII相当(スピークボード相当)の音源になりましたので、色々とデータを物色してきて聴いてみました。FMx6、PSGx3、リズム音源、ADPCMと、今となっては豪華なんだか良く判らない構成ですが、当時のデータ作者の心意気はひしひしと感じました。レトロですげーいい音。これは宝物に加えることにしました。

その他もろもろ改造

ついでに、MSDNのライブラリの中にあったWindows98(SEでないほう)をインストールしてみました。

そして、ヤフオクで32MBのSIMMを4本ほど落札してきて、フル実装128MBに。

CPU下駄も同じく落札し、部品箱の中に転がっていたAMD K6-III/450を乗せて400MHzで動作させてみました。Windows98がサクサクと動きます。これはいい。またそのうちにWin98のゲームなんかもやってみたいなと思いました。

MIDI音源X68000でCM-64を使っているのですが、SC-55系の音も聞いてみたいと思い、SC-88VLとMU100も落札してきて繋いでみました。SC-55mkIIは相場が高騰しているようなのですが、55マップに切り替えるとほぼ同等の音が出せて88マップも載っているSC-88VLを選びました。記憶だと「ザ・MIDI」という音だったのですが、こんなにいい音したっけか?という感じです。やっぱりレトロPCはいいです。

そんな感じで、割とあっさりとPC-98の環境を復活できました。

さいごに

倉庫の中で発掘されたPC-98関連の品物をフリマアプリに出品しました。
宜しければ覗いてみてください。

懐かしのFM音源ボード(26K互換)もありますし、X68000のスペハリや源平もありますヨ。

https://jp.mercari.com/search?search_condition_id=1cx0zHGsdI-OCiOOBk-OCgOOCgOOBruODrOODiOODrVBD

あと、PC-9821用ディスプレイは、DELLのディスプレイ改造記事で紹介したものを使っています。水平同期24KHzもきちんと表示されていることを確認できました。

yokomumu.hateblo.jp

それでは。